脳科学者の茂木健一郎氏の著書で『英単語を暗記する作業は細切れ時間で充分でした』と書いてあったのを思い出しました。
引用元:『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』.茂木健一郎(2007).PHP研究所.
もくじ
効率化には分割が必要
決まった量のリソースから、より多くの利益を得ようとする
言い換えると、効率化(生産性の向上)をしようとするならば、
「分割」がとても有効な方法になります。
具体例を挙げてみます。
例えば、小売業を営んでいて在庫の保管のために倉庫を借りたい。
借りる倉庫は大きくなるほど、賃料も高くなるため、できるだけ小さな倉庫で済ませたい。
なので、できるだけ小さめの倉庫を借りました。
さて、商品の在庫を保管しましょう。
商品はなんでもいいのですが、イメージしやすいようにトイレットペーパーにします🧻
ここで、トイレットペーパーが12ロールでパッケージングされているモノと、1ロールずつのバラ売りのモノの2通りについて考えてみましょう。
12ロールで1パックの商品を倉庫にできるだけ多く入れようとしてみる所を想像してみてください。
次に、バラ売りの商品を同じ倉庫にできるだけ多く入れようとしてみる所を想像してみます。
どちらのほうがより多く(効率的に)倉庫に保管できるでしょうか。
バラ売りの商品の方が置き方に柔軟性があって、スキマを作らないように置けるので、より多く置けるはず。
つまり、1単位あたりの大きさが小さいほど空間(倉庫)をより効率的に使える。
小さくする(分割する)と効率化できるのは空間の利用に限りません。
リソースであれば、ほとんどのものにこれが当てはまります。
時間(作業やタスク)も分割した方が効率的
先ほどの空間の例と同じように、時間も分割することで効率化が期待できる。
今朝の会議までに始業から30分あったとします。
移動のことを考えると25分ほどのスキマ時間がある。
締切のある重要な仕事(結構時間がかかりそう)を25分だけでも進める。
これが一番効率的です。
でも、これをやる人ってほとんどいませんよね。
わたしも
「25分じゃ大して進まない」
「ちゃんと時間を取って集中してやったほうが効率がいい」
と思って、別に重要ではないことにそのスキマ時間を使っていたおぼえが😅
でも、実は長時間やるよりもある程度分けて、細切れにやったほうが効率的だとしたら…?
時間(作業やタスク)を分割しても生産性は落ちない、むしろ上がる
パーキンソンの法則
長時間、連続して作業を続けたほうが効率がいい。
というのは勘違いで、その理由としてパーキンソンの法則があげられます。
パーキンソンの法則は
- 仕事を完了するための時間を与えられると、その時間いっぱいまで仕事を長引かせてしまう
- 収入が増えると、支出も収入と同じ金額まで増えてしまう
という法則です。
ひとつ目のほうについて具体例を挙げるとすれば……
ある業務を5時間で終わらせるように、と上司に仕事を振られました。
その業務に取りかかり始め、最初は低いパフォーマンスですが、
徐々に調子が上がり高いパフォーマンスが発揮されます。
ですが、ハイパフォーマンスは長くは続きません。
ふつう5時間もの長時間になると、
「このままのペースでは、5時間も続けられないな🤔」
と、意識的あるは無意識的に長期戦を見据えてパフォーマンスを下げてしまいます。
パフォーマンスを下げ過ぎて、残り時間が足りなくなってくると、ラストスパートをかけて帳尻を合わせます😤
結果、ピッタリ5時間で終わるのです。
中だるみをなくす
このように長時間の作業では
作業開始からパフォーマンス上昇
↓
ハイパフォーマンス
↓
中だるみ(長期戦用のパフォーマンスの調整)
↓
帳尻合わせのラストスパート
というようなパフォーマンスの変化が起きています。
問題となるのが「中だるみ」です。
中だるみの原因は作業が長時間になっていること。
なので、中だるみの解決策は長時間の作業を分割することです。
意外とパフォーマンスは早く上がる
長時間の作業を分割するのはいい。
でも、分割したらパフォーマンスが上がり切る前に作業を中断することになって、
むしろ効率がわるいのではないか?
と、わたしも思っていました😔
しかし、体があったまる、パフォーマンスが上がる、
すなわち、脳が活発に働き始めるのにそんなに時間はかからないようなのです。
わたしの個人的な感想ですが、
最近、資格試験の勉強にポモドーロ・テクニックを使っていて、休憩後にパフォーマンスが高い状態に戻るのに、
そんなに時間がかかっているとは感じません。
そもそも、もしパフォーマンスが高まるのに時間がかかるなら、ポモドーロ・テクニックはこんなに有名にはなっていないのでは…?
自分の生活に活かせることはないか?
ぜひ、これも実践して自分の血肉にしたい💪
勉強ではポモドーロを使ってみているが、他のことにも取り入れてみよう。
あとは、細切れ時間を有効に使いたい。
今考えているのは、細切れ時間を本を読むなどインプットに使うこと。
インプットなら、アウトプットよりも細切れになっても支障が少なそう。
あとは、電子書籍は読み上げ機能を使って移動時間にインプットするとか。
まとめ
- リソースは分割すると効率(生産性)が高まる
- 時間もある程度は分割したほうが効率的
- 長時間の作業では、パーキンソンの法則に注意
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