「今まで」はもしかしたら埋没費用なのかも…?
埋没費用(サンクコスト)とは
埋没費用(原価)とは平たく言うと、支出したけど回収できなかった投資(費用)のこと。
どこかの兵団の団長が「何の成果も‼︎得られませんでした‼︎」といっていましたが、この兵団の遠征にかかった費用はまさに埋没費用です。
埋没費用を語る際によく出てくるのが英仏共同開発の旅客機コンコルドの例で、
埋没費用が財務的な意思決定をゆがめてしまうことが同計画にみられたことから、そのようなバイアスを「コンコルド効果」と呼びます。
埋没費用はいっさい利益を生み出さない(すでに損失が確定している)ため、意思決定の判断材料にならないのですが。
そもそも「損失の確定」を認識できていなかったり、事実として認識できていても「損失の確定」を心情的に認めたくないと合理的になれないのはある意味で人間らしいとは思います。
ギャンブルやソシャゲのガチャで「ここまでこんなにつぎ込んだんだから…」と予算以上に散財してしまうのもコンコルド効果なんですかね。
簿記でも重要
埋没費用は簿記1級の原価計算の「差額原価収益分析」でも登場します。
簿記の問題を解くにあたっては「どれが埋没費用か?」を正確に見分けられると、
複数の投資案の差額だけを集計することで(つまりは純額法で)答えを導き出せるので埋没費用が意識できると楽ができる。
総額法で営業利益までのP/Lを複数作るのは…疲れるしミスも出るのでやりたくない…。
財務以外の意思決定でも
埋没費用は主に財務、つまりは金銭的なコストについて語られることが多いと思いますが、
金銭以外のリソースの投資(コスト)についても埋没費用という概念は転用できる場面が多そう。
時間や労力などのリソースを金銭的価値ベースで捉え直せば、ふつうの埋没費用と同じように考えることもできるし、
リソースの種類ごとに切り分けて考えることで、自分がどのリソースの埋没費用によってコンコルド効果が現れやすいかを自覚することもできそう。
むずかしいのは金銭以外の埋没費用について「これって埋没費用?」というのが正しく判断できないこと。
現状ではムダにしてしまったと後悔している過去の時間や経験が、後々になって役に立つなんてことはまま有りそうですよね。
日常の意思決定でも
埋没費用は経営課題などの大きな意思決定に限ったものではなく、わたしたちの日常的な小さな意思決定にも潜んでいる。
最近わたしの母が某通信制の大学の資料請求をしていたのを発見したのですが、まさにこれは埋没原価に関係するなと。
何を言いたいのかというと「年齢を理由に何かを始めるのをあきらめること」は「現在までの時間」という埋没費用によって意思決定をゆがめられているのではないか。
わたしの好きな某YouTuberも「今日が(残りの)人生で一番若い日」という言葉をよく使います。
以前から素敵だと思っていましたが、なんだか説得力が増したような気がしてきます。
Thanks🐟
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